なぜ東上線は人身事故が多いのか?理由を考えてみた
東上線はよく人身事故で止まっているイメージがあります。そんな東上線、本当に人身事故が多いのかまとめていきます。
目次 |
東武東上線について
レイアウトが崩れてたらごめんなさい。スマホベースで作ってたもんで。
ここを省略しようとも思いましたが一応書いておきます。 東武東上線は東京・池袋から埼玉・寄居を結ぶ路線です。坂戸からは支線の越生線が分岐しています。和光市からは東京メトロ有楽町線に乗り入れをしています。 東京と上州を結ぶ路線として計画されたため東上線と言う路線名になりました(上州ではなく上野という説もあります。)。 東上線は他の路線に比べ人身事故が多く利用するとかなりの確率で巻き込みを食らう路線でもあります。そんな東上線はなぜ人身事故が多いのか考察していきます。 |
本当に人身事故が多いのか?
今回は人身事故データベースのデータを参考に話していきたいと思います。
他の路線と比較して
他の路線として比較するとどうなのでしょうか?まずは2019年の路線別ランキングです。
順位 | 路線 | 発生数 |
1 | 東日本旅客鉄道東北本線 | 31 |
2 | 東武鉄道東武東上線 | 28 |
3 | 西日本旅客鉄道山陽本線_(JR西日本) | 27 |
3 | 西日本旅客鉄道JR神戸線 | 27 |
5 | 東海旅客鉄道東海道線_(JR東海) | 26 |
6 | 小田急電鉄小田急小田原線 | 24 |
6 | 西武鉄道西武池袋線 | 24 |
6 | 東日本旅客鉄道中央本線_(JR東日本) | 24 |
9 | 東日本旅客鉄道宇都宮線 | 23 |
10 | 西日本旅客鉄道東海道線_(JR西日本) | 21 |
東北本線が1位になっています。ただ、東北本線というのは東京から盛岡を結ぶ長大な路線なので距離に比例して件数が増えるのも納得です。
このデータだけだと比較できないので関東私鉄路線別ランキングで比較します。こちらも2019年のデータで見ていきます。
順位 | 路線 | 発生数 |
1 | 東武鉄道東武東上線 | 28 |
2 | 小田急電鉄小田急小田原線 | 24 |
3 | 西武鉄道西武池袋線 | 24 |
4 | 西武鉄道西武新宿線 | 18 |
5 | 東武鉄道伊勢崎線 | 15 |
6 | 京浜急行電鉄京急本線 | 15 |
7 | 京成電鉄京成本線 | 13 |
8 | 東武鉄道東武スカイツリーライン | 12 |
9 | 京王電鉄京王線 | 9 |
10 | 東京地下鉄東西線 | 8 |
関東私鉄の路線でもダントツの1位になってしまいました。2019年の発生回数は28回と2週間に一度のペースで発生してしまっています。毎日使っている人なら1ヶ月に1回運休は巻き込まれるくらいの量でしょうか?多すぎます。
なぜこんなに事故が起こるのか?
今回は場所別に考察します。
先ほどのサイトには路線別のデータが掲載されています。
JR東日本全体 |
踏み切り事故
先ほどのグラフのように東上線は駅間での事故が他路線に比べよく発生しています。
東上線が地上を走行して踏み切りがある区間をオレンジでなぞってみました(池袋ー川越)。過半数の区間に踏み切りが存在していることがわかります。
国土地理院地図を使用
駅間の事故はそのほとんどが踏み切りで起こっていると言っても過言ではありません。踏み切りからは線路に進入しやすく簡単に巻き込まれてしまいます。
そもそも踏み切りのない区間で人身事故は滅多に起こりません。最近のものだと武蔵野線の東所沢駅付近で列車が通る堀割に車が落ちてきたことやエクスプレスの八潮駅のホームドアを乗り越えて線路に侵入した男性が三郷中央駅方面に走り出して列車に跳ねられた事案くらいです。
対策
先程かいた対策を東上線ではどのくらいやっているのかを見ていきます。
高架化
現在0といっても過言ではありません。あえて言うのであれば営団地下鉄直通に伴う成増(営団成増)ー和光の立体化でしょうか?
しかし、大山駅付近は立体交差事業準備区間に設定されていて19年12月に東京都による都市計画決定を受けています。21年度の事業認可取得を目指し計画が進んでいて近い将来高架化する予定です。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/より
また、上板橋ーときわ台の区間は鉄道立体化検討区間に設定されていて将来的には高架化しそうです。ちなみに、板橋区は区内の東上線全線立体化目指しています。
ただ、これによって人身事故が減るのか?というとそうではありません。確かに板橋区内でも人身事故はよく発生していますが、それ以上に志木以遠の発生数が多いためです。