明日からレジ袋が有料に!有料義務化の理由と内容


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今回は明日から施行されるレジ袋有料義務化についてまとめます。先に言っておきます。私は明確に反対の立場をとりますのでご注意ください。



目次


有料義務化の概要

レジ袋有料義務化の概要です。

対象

基本的にすべてのプラスチックでてきた袋が対象です。しかし以下の袋は例外的に対象外となっています。

  • プラスチックでできていない袋
  • 持ち手のない袋
  • プラスチックのフィルムの厚さが50μm以上のもの
  • バイオマス素材の配合率が25%以上のもの
  • 海洋生分解性プラスチックの配合率が100%
  • 商品を入れるためのものでない袋
  • 袋が商品の一部のもの(福袋など)
  • 事業者からやむをえず提供され消費者が辞退することができない袋

価格

事業者に委ねられます。環境相は1円未満は有料と見なさないとしているので1円以上であれば自由です。ちなみにレジ袋代として徴収した代金の利用方法も自由です。レジ袋販売のポイント還元も認められています。

罰則

規定はありません。しかし、指導対象となる恐れはあります。


なぜレジ袋を有料義務化に?

レジ袋の有料化はここ最近に始まったものではない。有料義務化も同じで10年ほど前の小池環境大臣(現:都知事)の頃にも検討されていた。なぜわざわざ有料義務化にするのかまとめた。

海洋汚染とマイクロプラスチック

誰もがこれを理由に出すだろう。海洋汚染とマイクロプラスチックの問題だ。

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プラスチック製買物袋有料化説明会より

プラスチック製品環境へ与える影響を減らすためにプラスチック製品であるレジ袋の消費量を減らそうということ。詳しい批判は後でするが、これがレジ袋である必要性は全くない。むしろ商品の個包装などの製品包装の影響の方がよっぽど多い。

二酸化炭素排出量を減らすため

レジ袋は石油でできているため燃やすと二酸化炭素を排出する。二酸化炭素温室効果ガスの一種で地球温暖化を促進させる原因の1つであり、その排出量を減らすことで地球への負荷を減らそうという考え。

これもいろいろとおかしい。原油はさまざまなものに変えて使用される。火力発電所の燃料、エンジンの動力、プラスチックなどだ。プラスチックは日本に輸入される原油の総重量の3%でしかなくその中の数%のレジ袋をちょっと削減しただけではなにも変わりはない。二酸化炭素を減らしたいのなら火力発電所などを規制した方がよっぽどよい結果が得られる。

その他

正直、全部書いてたらきりがないからあとはリストで、、

  • 意識改革
  • 他国がやったから


正直に言おう

今回の環境省のやり方は良くないと思う。実施目的、根拠が全くわからないのだ。私を含めた有料化反対派の主張をまとめておく。

効果が実証されていない

環境省はレジ袋の有料義務化で10%程度の減少を見込んでいる。これは廃プラ全体の0.002%であり0に近似してもよいレベルである。廃プラの排出量自体が年に10万tほど変動するためレジ袋の有料義務化の影響は0であるといっても過言ではない。

世界・国内へのアピール

レジ袋有料義務化の一番の要因はこれだと思う。小泉環境相は意識改革と称してレジ袋有料化をしてきた。世界がレジ袋を有料義務化していくなか日本は遅れをとっている。また、日本の原油使用料は世界4位で世界から見ても多い部類にあり脱石油の流れに反していて国外からの批判も多い。それをなだめる意味も含めて海外の流れに追い付きアピールする意図も存在すると思う。

国内から見ても意識改革と称し、環境への負荷を下げるという目的でレジ袋を有料化するとすれば好印象を持つ人も多いだろう。やはり国内へのアピールをする意図も存在すると思う。

海洋汚染はレジ袋のせいなのか?

レジ袋有料化の第一の理由として海洋汚染があげられている。さきほども書いたようにプラスチック製品が環境に影響を与えるというものである。

これはプラスチック製品全般に言えることであり決してレジ袋が悪いとは言えない。そもそもレジ袋を使用することが悪なのではなくゴミを適正に処分しないのが問題なのだ。

当たり前だが日本では軽犯罪法を始めとした法律でポイ捨てなどの行為に罰則がある。タバコ1本、空き缶1個であっても道に捨ててはいけない。この取り締まりを厳しくすれば必然的に流出するゴミ(プラスチック)製品もなくなる。


廃棄物の処理及び清掃に関する法律

第16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

第25条第14号 第16条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者。



軽犯罪法

第1条 左の各号の1に該当する者は、これを拘留または科料に処する。

25 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者

 27 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者



道路交通法

第76条第4項 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。

第4号 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両などを損傷するおそれのある物件を投げ、または発射すること。

第5号 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両などから物件を投げること。

第7号 道路または交通の状況により、公安委員会が道路における交通の危険を生じさせ、または著しく道路の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為



河川法施行令

第16条の4第1項 何人も、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。

第2号 河川区域内の土地に土石(砂を含む。)またはごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他の汚物若しくは、廃物を捨てること。

既存の法律で対処できる取り締まりを環境省が諦めたととる人もいるはずだ。

二酸化炭素の減少は見込めない

調べていたら面白い論文があった。「レジ袋削減は本当に必要か」という論文だ。
https://www.chuo-u.ac.jp/usr/jhs_activity/award/winentries/6th_result/result03/

今回はここの論文から引用させてもらう。

現在レジ袋は、日本では年間300億枚、乳幼児を除いた国民一人あたり約300枚が使用されている。これを原料の石油に換算すると、年間50万キロリットルになる。これは、日本人一人あたり、わずか3リットルに過ぎない。普通車で、30キロメートル分の外出を一日我慢すれば、一年分のレジ袋の節約ができる量なのである。

1人あたりのレジ袋1年分に相当する原油換算の普通車の走行距離は30kmとなっている。レジ袋とガソリンから発生する二酸化炭素量が同じだと仮定する。そう考えるとレジ袋から発生する二酸化炭素はごく微量でほとんど影響がないことが分かる。

石油資源を保護・二酸化炭素の排出量を減らすためにはレジ袋を使わないようにするより車の燃費を改善・電気自動車の導入をした方がよっぽど効率的なのだ。少しずつできることからやっていけば環境は改善するという主張をよく耳にする。しかし、いくらレジ袋を減らそうと自動車のガソリンという大きな隔たりをなくさない限りほとんど影響がないのだ。

レジ袋を減らすとゴミ袋が増える

朝霞市の場合は市指定のゴミ袋が存在しない。かなりの人はスーパーでもらったレジ袋をゴミ袋として再利用していると思う。そのような市町村の場合レジ袋が有料化されるとポリ袋を購入する人も増えるはずだ。それこそ石油製のポリエステルのエコバッグを別途用意する必要も発生する。

購買意欲の低下

レジ袋をゴミ袋として使うことを前提として商品を購入することは多いと思う。

コンビニのカップアイスを購入し、食べ終わったらレジ袋(ゴミ袋)に入れて捨てるなどの事例だ。仮にレジ袋が有料化となったらどうなるだろうか?レジ袋が有料化すると辞退率は(現在までに有料化した店舗の統計)70%~90%になると言われている。捨てることが前提のものに金を払いたくないのだ。そうなると必然的にレジ袋を必要とする商品の購入をためらう可能性も高くなる。

先ほどのカップアイスの例で言うのであれば、店頭で食べる・食べる場所にゴミ箱がないなどの特殊な状況でない限り、絶対ゴミ袋が必要なのである。これでは購入後にゴミ袋に一時的に入れてそのあとに捨ててたという人が、ポイ捨てをするようになることも考えられる。

レジ袋の有料化でレジ袋の消費だけが落ちると思いきやそれ以外の製品の消費の落ち込みも懸念される。せめて新型コロナウイルスで消費が低迷している今ではなく、ある程度回復してきたときにやるべきだと思う。

以上